今回は、執行役員 経営管理部 部長の坂井さんにインタビューを行いました。経営管理部の機能やミッション、今後の展望などを伺っています。
坂井 宏成
大学院で無機／有機複合材料に関する研究活動に取り組み、卒業後に三菱総合研究所に入社。 コンサルタントとして通信キャリアのマーケティング戦略策定や、クライアントの知財をコアにした新規事業の立案・実行支援に関与。 2016年、TBM入社。多賀城市の自社工場建設をプロジェクトマネージャーとして推進した他、自社工場における生産計画策定プロセスなどの生産管理体制の構築や、品質保証体制の構築に貢献。 2022年より経営管理部 部長として、事業管理体制構築やものづくりプロセス最適化、知財戦略を推進。2023年に執行役員に就任。
#1. 経営管理部の3つの機能と体制
－まず、経営管理部にはどのような機能がありますか？
経営管理部は、3つチームに分かれており、それぞれ以下の機能があります。
①事業管理チーム
TBMの経営計画を策定し、それに基づいて会社全体が計画通り進行しているかどうかをモニタリングする役割を担うチームです。各事業の進捗や全社経費、開発活動など幅広い活動を対象とし、計画からの乖離が生じた場合には軌道に戻すために事業部等とアクションプランを検討します。
また、SalesforceやERPなどを活用してデータを収集・整理し、分かりやすい形で各部門に提供するなど、データの可視化を通じてスムーズな意思決定をサポートすることもこのチームの大きな役割です。
②知財・技術法務チーム
特許や商標などの知的財産を管理し、TBMのブランドや技術を守る役割を担っています。また、特許化されないノウハウや秘密情報の管理にも取り組んでいます。
具体的には、権利化すべき技術やブランドに関する知財戦略の立案から、具体的な権利化手続の実務や知財管理の仕組みづくりを手がけています。
さらに、秘密情報管理の仕組みを整え、会社の持続的な競争優位性を支える環境づくりにも力を注いでいます。
③MI推進チーム
材料開発にデータを活用する仕組みであるマテリアルズ・インフォマティクス（MI）を推進するチームです。従来の経験や勘に依存する手法ではなく、データドリブンなアプローチを導入することで、より効率的かつ短期間でのものづくりを目指しています。
チームには研究開発の経験を持つメンバーも在籍しており、独自の知見を活かしながら、プラットフォームの構築や人材育成にも取り組んでいます。また、全社へのMI浸透に向けた仕掛けづくりやサポートにも取り組んでいます。
#2. ミッションは、未来を見据えて会社の進むべき方向性を示すこと
－経営管理部のミッションを教えてください。
経営管理部はさまざまな機能が集結した組織ですが、共通して求められるのは、常に未来を見据えて会社の進むべき方向を示す役割です。
多くの課題に向き合う中で、情報をキーとして活用し、それを整理・統合することで部門を横断し、全社的な課題解決に取り組んでいます。
－複数部門と関わる経営管理部ですが、部門間の連携において大事にしていることは何ですか？
多岐にわたる課題の中から何を優先すべきかを見極めるため、営業や製造、開発部門の本部長、部門長、マネージャーといったキーパーソンと密にコミュニケーションを取っています。営業の動向や製造プロセスを詳細に把握することで、チーム全体でさまざまな情報を共有しながら物事を進める体制が構築されており、各事業部内では解決が難しい課題にも対応できるという強みを持っています。
会社の規模が大きくなるにつれ、これまで通りのスピード感で事業を成長させていくために、複数の部門間で課題について調整して、一つの方向性を持って取り組みを進めていくことの重要性が高まっています。こうした中で、経営管理部は部署間の調整役として全体のスムーズな連携を支え、プロジェクトを成功に導く役割を果たしています。この牽引力・調整力が、組織の成長に欠かせない価値となっています。
#3. 「先回りして新しい価値を提供する。」大切にしている価値観
－経営管理部では、どのような価値観を大事にしていますか？
経営管理部では次の4つの価値観を大切にしています。
1．先回りして新しきに気を配る
2．全体最適で考える
3．広さと深さを両立する
4．意志を持って周囲を巻き込む
誰よりも先を視て未来を予測し、事業部と同じ目線に立つだけでなく、先回りして新しい価値を提供すること。他部門だからこそ持てる視点で、コミュニケーションを取ることを重視しています。
また、複数部門にまたがる課題を解決するにあたっては、全体最適を意識しつつ各チームの専門性も活かし、広さと深さをバランスよく両立させることを目指しています。調整役にとどまらず、自ら方向性を示し、関係者を巻き込んで価値を創出することが大切です。
#4. データを活用できる環境、意思決定を支える経営基盤強化を目指して
－最後に経営管理部が今後もっと挑戦していきたいことを教えてください。
会社全体として、事業への理解や数字を基にした議論が十分に浸透しておらず、数字を見られる場や仕組みがまだまだ不足していることが課題です。まずはデータのインプット環境を整え、社員が自由にデータを活用できる状態づくりに挑戦していきます。
経営管理部は、未来を描き、その道筋を示しながら会社をリードする存在でありたいと考えています。会社の方向性に深く関与し強い経営基盤を作るため、さらなる貢献を目指します。
