今回は、2023年4月に新卒としてTBMへジョインし、LIMEX事業本部 エンタープライズセールス部にて営業を担当している斎藤さん、番場さんへインタビューしました。
エンタープライズセールスの営業プロセスや、2人にとって印象的な案件、新卒1年目で挑戦した組織づくりへの取り組みについてもお話ししています。
斎藤 祐花(写真右)
青山学院大学地球社会共生学部を卒業。在学中は国際開発を主に専攻し、松下幸之助記念志財団の奨学生として、タイのスラム街発エシカルブランドでエシカル消費に関するフィールドスタディを行う。
2023年4月、TBMに新卒入社。LIMEX事業本部 エンタープライズセールス部にて大手企業向けに新規法人営業を担当。韓国大手財閥SKグループとの拡販にも従事している。
番場 啓太(写真左)
法政大学経営学部を卒業。在学中はマーケティングや消費者行動を専攻し、産学連携で金融機関のホームページ改善を経験。
2023年4月、TBMに新卒入社。LIMEX事業本部 エンタープライズセールス部にて、大手企業向け新規法人営業、インフレーション製品やLIMEX Sheet製品の新規用途開発及び市場開拓を担当。
#1. 「日本の技術・モノを通じて社会にインパクトを与えたい」TBMジョインの理由
ー 23年に新卒入社した2人ですが、ファーストキャリアとしてTBMを選んだ理由は何ですか?
番場:TBMが目指すビジョンや社会への影響力の大きさに魅力を感じたからです。就職活動を始めた当初は成長産業という漠然としたイメージから、IT業界(特にSaaS)を志望していました。そんな時にTBMの説明会に参加し、「トヨタやソニーのように、日本発の技術でグローバルに貢献する」というフレーズに衝撃を受けたことを覚えています。選考の過程でTBMやLIMEXを調べていくうちに、本当にトヨタやソニーのような会社を目指すことができる事業環境であることを実感し、TBMでの挑戦への想いが強まり、入社を決めました。
斎藤:私は、モノ(有形商材)を通して社会貢献をしたいという気持ちが強くありました。LIMEX製品を見た方が、「なぜ環境に配慮された素材が必要なのか」と疑問を持ち、社会課題を知り、人や環境に配慮した製品を選ぶ。そんな、個々人が社会課題の解決にアクセスできる環境を創りたいと思っています。様々な環境配慮素材がある中で、プラスチックや紙の代替に成り得るLIMEXの汎用性の高さに魅力を感じ、TBMのみに絞って選考を受けて入社しました。世の中にはIT系のベンチャーが多い中で、自社でモノづくりを行っている独自性や珍しさにも惹かれました。
ー 2人とも社会に大きなインパクトを与えたいと思ってTBMにジョインされたのですね。現在2人が所属しているLIMEX事業本部では、どんな業務を担当しているのでしょうか?
斎藤:私たちは、新卒入社1年目から、大手企業を中心に新規法人営業を行うエンタープライズセールスを担当してきました。エンタープライズセールスは、一社に対して複数プロダクトの提案を行うため、お客様が抱える課題に対して多面的で柔軟な提案を行い、解決することができます。
ー 「接点がつくりづらい」、「意思決定までの道のりが長い」など難易度が高いと言われるエンタープライズセールスにおいて、新規営業の経験を豊富に積める環境は珍しいのではないでしょうか。ここからは、具体的な業務内容を伺い、エンタープライズセールスの解像度を高めていきたいと思います。
#2. どこへ・何を・どう売るのか?エンタープライズセールスのプロセス解説
ー 2人は、どの業界に対してどのような製品を提案しているのですか?
番場:私たちは小売や飲食、食品メーカー、ホテル、アパレルなど幅広い業界に対して、ショッパーやレジ袋、ゴミ袋などのプラスチック資材(主にインフレーション製品)や、ラミネート印刷物の代替としてLIMEX Sheet製品を中心にご提案しています。
ー どのような切り口でLIMEXをご提案するのでしょうか?
斎藤:TBMでは、ご提案時にLIMEX製品の導入による環境負荷低減の効果を可視化し、定量的な情報としてお伝えしています。プラスチック代替製品の場合は、石油由来プラスチックの使用量やライフサイクルアセスメント*(以下、LCA)という評価手法によって算出するCO2排出量の削減、また紙代替製品の場合には水使用量の削減値を提示しています。そして、お客様が掲げられているサステナビリティ方針や取り組みの現状をヒアリングし、プレスリリースやIR情報への訴求など、対外的な発信もイメージしていただけるように提案をしています。
*TBMでは、製品開発の際に重要な物差しとして、原材料の調達〜処分までのライフサイクル全体で、CO₂を含む温室効果ガスの排出量をどれだけ削減できるのかをライフサイクルアセスメント(LCA)という評価手法によって可視化しています。
番場:LIMEX製品は環境負荷を低減することは勿論ですが、コスト削減や機能性の向上に寄与できるケースもあります。単に製品をご案内するのではなく、お客様が重視されているポイントを把握して、自分でカスタマイズして提案できるところが、LIMEX営業の面白さの一つだと思います。
#3. 担当案件でLIMEX製品の新市場を開拓
― それぞれ、印象的な案件を教えてください。
斎藤:私が印象的だったのは、LIMEXを使用した「LimeAir Bag」という袋を、国内最大手ホテルの全国の宿泊施設で使用される客室ゴミ箱用ポリ袋に採用していただいた案件です。
リードタイムの長さや競合の多さなど、大手企業への営業ならではの難しさを実感しましたが、一方でLIMEXが持つ環境性能、そして訴求力の強さを実感しました。採用の決め手は、環境に配慮されていて、ユーザーにとってコストに関してもストレスがなく、エコノミーとエコロジーの両立を実現していることでした。
また、トップセールスの上司と、1回の電話に向けて事前に内容を擦り合わせるなど、この案件を通じて営業ノウハウを叩き込んでもらったことも印象的です。
プレスリリース配信後には、ホテルのアメニティを取り扱っている企業から、「リリースを見ました」とお問い合わせをいただきました。エンタープライズセールスだからこそ、業界全体に影響を与えることもできるのだと実感しました。
― 売上以外のところでもやりがいを感じられたのですね。番場さんはどんな案件が印象に残っていますか?
番場:大手コンビニチェーン向けにお弁当やお惣菜を製造する食品加工会社にて、工場で使用するプラスチック資材にLIMEX素材を活用いただいた案件が印象に残っています。この案件は、LIMEX素材を使用したインフレーション製品の中でも今後力を入れていきたい、食品衛生法に適合したアイテムでの採用事例です。
まず、エンタープライズセールス部の役割は大手企業に向けた新規提案なので、担当の方と接点をつくるまでが大変でした。提案が開始してからは、案件の進め方を何度も上司とすり合わせ、お客様のもとへ通い、採用に向けたステップを一つ一つクリアしていきました。
採用までには他にも、商品設計は開発、物流条件はSCM、食品衛生法については品質保証など、社内の営業部門以外の多くの方々の力を借りて進めました。
接点づくりの大変さや周りを巻き込むことの大切さを学んだ案件ですし、常に緊張感を持っていた分、採用が決まった瞬間は凄く嬉しかったです。
#4. 新卒1年目から挑戦する組織づくり、人づくり
― 2人は営業としての活躍に加えて、LIMEX事業本部の組織づくりにも取り組み、同期とともに3名で、2024年4月度のCompass賞(全社で最もValuesを体現した人/チームに贈られる賞)を受賞しています。受賞に至った組織づくりの経験について教えてください。
斎藤:新卒1年目の1月に、経営陣も含めた40名以上が参加する、LIMEX事業本部のオフサイトミーティングの企画運営を私と番場さん、同じ部で同期の嶌川さんの3名に任せてもらいました。この仕事で、常務執行役員CSOで、LIMEX事業本部の本部長でもある山口さんとの議論を通じて、目指す組織像や事業戦略の狙いについて、解像度を高めることができました。新卒1年目から、所属組織全体の現状と未来像について経営層と語り合い、場づくりを任せてもらえたことはとても貴重な経験だったと思います。
番場:営業の予算だけでなく、組織づくりも任せていただいたことで、「自分がこの組織や事業をつくる担い手である」と強く実感できるようになりましたね。
― そういった組織づくりに向き合う姿勢がTBM Compassを体現していると評価されてのご受賞でしたね。斎藤さんはさらに、キャリア採用入社者の営業研修プログラムづくりにも携わっているそうですが、どのようなプログラムなのでしょうか?
斎藤:製造業での営業、素材の営業が未経験の方でも、スムーズにオンボーディングできるように、TBM流の営業研修プログラムを用意しています。社内トップセールスのケースを参考に、入社した人が初期に抱える困りごとを想定して作成しました。1週間単位でプログラムが設定されており、素材特性や製造方法など知識理解を深める内容や、環境負荷削減効果の測定方法、環境配慮素材を扱う上で求められる法律への知見などが含まれています。プログラムは今年作成し、継続してブラッシュアップをしていきたいと考えています。
番場:「新素材×法人営業×新規営業」は難易度が高い仕事であると感じています。製品によっては競争力が見出せている商品もあれば、商品開発を通じて更なる競争力を付与しなければいけないものも多くあります。今の環境で成果を出すことができれば、業界・業種を問わず活躍できるセールスパーソンに近づけると思います。
つい先日、第二新卒でTBMへ転職し、約6ヶ月が経過したメンバーが、大手ホームセンターに対して新しく開発したアイテムを受注しました。臨機応変に対応する柔軟性や、諦めない粘り強さ、チームワークを大事にする姿勢が活躍の理由だと思います。そのような姿勢を持った新しい仲間がこれからも増えたらうれしいです。
― 新卒社員は、入社後1ヶ月間のオンボーディング研修を全員で受けた後、各部門に配属されますが、LIMEX事業本部では、配属後にどのような成長支援があるのでしょうか?
番場:半年間は、先輩社員がトレーナーとして伴走してくれるOJT期間となっています。商談に同行しながら、仕事の進め方からLIMEXの製品知識、法人営業に関する一般知識まで、幅広く学び身に着ける期間です。
入社時の私はプラスチックや紙の知識が全く無かったため不安もありましたが、半年後には、開発部門のメンバーともある程度専門的な会話をできるようになっていました。さらに、キャリア入社の新人に教える場面も多々あり、新卒1年目から「自分が人づくり、そして事業づくりを背負っているんだ」という実感を抱くことができました。
#5. 事業と組織の成長に向けてリーダーシップを発揮
ー 2人が今後挑戦したいことを教えてください。
番場:これまでは、LIMEX製品の中でも特にインフレーション成形を用いたフィルム製品に携わることが多かったのですが、今後は押出成形を用いるシート製品の拡販にも力を入れ、新たな導入事例を増やし、組織を盛り上げたいです。さらには、新規用途の開発やより大きな規模のビジネスの拡大にも挑戦したいです。
斎藤:私が新しく担当しているテーマには、製造可能性の検証はできているが、マーケティング視点で本当に市場に普及される、選ばれる商品かどうか、検証が必要な製品用途のテーマがあります。仮説検証を繰り返し、商品が勝てる理由を自ら見出して、LIMEXが参入する市場を開拓していきたいです。直近では、国内営業だけでなく韓国市場への製品販売にも携わっている為、海外でのLIMEXの認知度を高め、販売していきたいと思います。
個人的には、数あるサステナブル素材の中でLIMEXが長けているのは、幅広い成形方法に対応しているため様々な製品が作れることと、原料の石灰石が安価であるため、汎用的なプラスチック製品などと比較しても、年々価格競争力が高まっていると考えています。
サステナブルな社会の実現には、コストや機能、加工性などの課題に向き合う必要があり、LIMEXにはこれらの課題をクリアできるポテンシャルを秘めていると信じています。
営業として、理想を描いて終わるのではなく、その可能性を一つずつ拾い上げて、お客様やパートナー企業様のお力添えを頂きながら、丁寧に着実にカタチにして現実のものとしていく活動を継続して行っていきたいです。
ー 7月に、2人のチームの20代の先輩がマネージャーと部門長へ昇格されました。すでに組織づくりも積極的に取り組んでいる2人ですが、身近な先輩の昇格を通じて何か変化はありましたか。
番場:入社してから2人の背中を追いかけてきたので、刺激を受けました。「次は自分も!」と思いましたし、同期や他の若手メンバーと会話する際も「マネージャー」や「管理職」というワードが以前より出るようになったと感じます。私もマネージャーを任せてもらえるタイミングが来た時に、胸を張って「任せてください」と言えるように、これまで以上に組織づくりや事業づくりを自ら背負って挑戦していきます。
斎藤:日頃からお世話になっている先輩の昇格だったのでシンプルに嬉しかったです。組織が大きく成長し、より速くTBMが目指す未来にたどり着けるように、私も適切なポジションを任せてもらえるようになりたいと思いました。そのためにも、日々目標を達成し続け、自分の役割を全うしていきます。
ーありがとうございました。「LIMEXの営業に挑戦してみたい!」「TBMで新卒入社して成長したい!」と思った方、ご応募お待ちしております!